漢方薬
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今月も先月の続きで、京都の研修会で慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授による「腸内環境を整えて病気を未然に防ぐ」という講演内容をお伝えいたします。
近年、がん治療の分野では大きな進歩が見られています。従来の抗がん剤は奏効率が5〜10%程度でしたが、免疫チェックポイント阻害薬の登場により20〜30%まで向上しました。
しかし、それでもすべての患者さんに効果があるわけではありません。人間の遺伝子は99.9%が共通しているにもかかわらず、薬の効き方には大きな個人差があります。
その差を生み出す重要な要因として、近年注目されているのが「腸内細菌」です。

研究により、腸内細菌の状態が免疫療法の効果に大きく関与していることが分かってきました。特に、腸内細菌の多様性が高い人ほど、免疫チェックポイント阻害薬が効きやすいことが明らかになっています。
また、特定の有用菌を多く持つ人も治療効果が高い傾向があります。腸内環境が良好な人ほど、免疫細胞が十分に働きやすい状態になっているのです。
そもそも免疫チェックポイント阻害薬とは、がん細胞が免疫細胞にかけている「ブレーキ」を外し、本来の免疫機能を取り戻す治療薬です。
しかし、免疫細胞そのものが十分に活性化されていなければ、ブレーキを外しても十分な効果は期待できません。そこで重要になるのが腸内細菌です。
腸内細菌は単に食べ物を分解するだけではなく、免疫系を育てる「教育者」の役割を担っています。
良好な腸内環境は免疫細胞を活性化し、病気に対する抵抗力を高めることにつながります。
この知見をもとに現在注目されているのが「便移植(糞便微生物移植)」という治療法です。
これは健康な人の腸内細菌を患者さんへ移植し、腸内環境を改善することで病気の治療につなげようとする方法です。
潰瘍性大腸炎の治療では、便移植によって多くの患者さんに症状改善が見られるなど、腸内細菌を活用した治療への期待が高まっています。
また、海外ではすでに腸内細菌を利用した治療薬が承認されており、感染症などの治療に活用され始めています。
今後は、がん治療やさまざまな病気の予防・治療においても、腸内細菌の働きを活用する時代がやってくるかもしれません。
来月号では、この便移植治療の詳しい仕組みや、腸内環境を整えるために私たちが日常生活でできることについてお伝えいたします。
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